先日、友人との会話を通して気づいたのですが、夫婦関係も突き詰めれば「需要と供給のバランス」によって成り立っているのではないかと思います。
私の同い年の友人と私は結婚や出産のタイミングが近く、生活環境も似ている部分がありながら、家庭内での役割や働き方が全く異なります。それでも彼女の夫婦関係は比較的円満です。この「違い」を探る中で、夫婦それぞれの需要と供給が上手に噛み合っていることが円満さの理由だと感じました。
友人の「割り切り」の上手さ
友人の旦那さんは、仕事に対する向上心が強く、転職を繰り返して収入アップやキャリアアップを目指しています。一方で、家事や子育てはほとんど手伝わない。しかし友人は「収入を確保してくれるなら、家のことは私がやる」と割り切っています。彼女いわく、夫としては「合格点」、父親としては「赤点」だけれど、現状にある程度は納得しているといいます。
旦那さんもまた、家庭を完全に彼女に任せるというスタンスで無理に「口を出す」ことはせず、自分に対する過度なお世話やフォローも求めていないそうです。
つまり、夫婦の役割分担がはっきりしていて、かつお互いがそのバランスを納得しているのです。このような「お互いの需要と供給の一致」が、友人夫婦の円満さを支えているのだと思いました。
私たち夫婦の場合
私の場合はどうかというと、結婚当初に夫が共働きを希望しており、家事も分担する「今どきの夫」を自称していました。ここまでは「一致」していたのです!
しかし、実際は以下のような状況に直面しました
- 転勤への帯同を求められ、共働きは2年弱で強制終了
- 仕事では収入アップを目指す努力もなく、転職や副業も考えない
- 家事の担当は「風呂掃除」と「食器洗い」のみで、他は私が担当
- 子育ては遊び相手も含め、完全に戦力外
私は働きながら家事や子育てもすべて背負い、世帯収入を増やしたいという希望を抱いていましたが、現実はそのギャップに悩まされています。
つまり、私が求める「供給」に対して、夫が提供するものがあまりに少ないのです。
「もっと稼いできてよ!」と言いたいわけではないのです・・・。
私がもっと仕事に注力できるように家事を分担できるようになってほしい。
お金の管理も丸投げのくせに「おこづかいが少ない」と嘆くだけじゃなくて、何か方法はないのか自分の頭で考えて欲しい。
1日中家でスマホばっかり眺めていて、一体何を吸収しているんだろうと思わずにはいられません(笑)
この違いは、育った環境?
友人夫婦と私たち夫婦の違いを考えた時、夫の育った環境が大きく影響しているのではないかと感じました。
友人の夫の実家は「夫婦でもお互い好きなことをしましょう」というスタイルで別行動も当たり前の環境だったようです。
一方で、私の夫は、亭主関白な父親と、それを支える母親の家庭で育ちました。そのため、「父親は家庭で常にNo.1」「母が全てフォローして家庭を円滑にするのが当たり前」という価値観が根深く残っています。
その影響もあってか、夫自身は「風呂掃除」や「食器洗い」をしているだけで、自分は「進化」したと感じています。しかし、現代の共働き夫婦の理想からは程遠いのが現実です。そして、厄介なのは、こうした状況でも「家庭で敬われたい」「大切にされたい」という欲求だけは持っていることです。努力をせずに不満を抱え、不機嫌になる姿を見るたびに、私はどうしたらこのバランスを取れるのかと頭を抱えてしまいます。
「アップデート」は大切なんだよ
現代の家庭では、時代の変化に合わせた「アップデート」が重要だと感じています。
最近では、PTA活動やクラブ活動でお父さんの姿も増えています。
これができる男性たちは、以下のいずれかに該当するのではないでしょうか?
- 育った家庭環境で、父親が特別視されず、家庭内の平等を見てきた
- 自分で時代に合わせて役割意識を「アップデート」してきた
逆に、「昭和のおじいちゃん」的な感覚を引きずったままの男性も多く、時代の変化に取り残されている人も結構いるのではないでしょうか?
ネットで見かけた記事に「ドリフの背景セットが回転するみたいに世の中が変わっているのに、昭和の価値観だけ残った浦島太郎みたいな人」という表現がありましたが、まさに私の夫のようだと感じました。
おわりに
夫婦関係において、相手に対する「需要」と「供給」のバランスが取れていることが、円満さのカギだと思います。しかしそのバランスは、時代や環境、夫婦の状況に応じて変わっていくものです。
友人夫婦のように「割り切り」でバランスを取る方法もあれば、時代に合わせてお互いが「アップデート」することで新しい形を模索することもできます。私自身は後者を目指しつつも、現状では自分一人で回す部分が多く、苦しいと感じることが少なくありません。
夫婦でどうアップデートし、時代に合った新しいバランスを見つけるか。それが課題だと感じています。そして、こうした気づきが、同じ悩みを抱える誰かのヒントになればと思っています。